AIで作ったものを公開する前の7つの確認|著作権・声の権利・利用規約【2026年版】

AIで作ったものを公開する前の7つの確認|著作権・声の権利・利用規約【2026年版】

AIで作った文章・画像・音声をブログやSNSに出す前に、何を確認すればいいのか。2026年8月に法務省が公表した「声の権利」の解釈指針など最新の動きを踏まえて、個人の発信者が本当に気をつけるべき7点を、専門用語をかみ砕いて整理します。

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📖 この記事でわかること

  • 2026年8月、個人に関係するルールは1つだけ動いた
  • 公開前に確認する7つのこと
  • AIが作ったものに著作権はあるのか

AIで文章を書き、画像を作り、音声まで作れるようになりました。ブログやSNSに出している人も一気に増えています。

ところが、「AIに何を入力してはいけないか」はよく語られるのに、「AIで作ったものを出すとき」の注意はあまり語られません

この記事では、2026年に入ってからの動きも踏まえて、個人の発信者が公開前に確認すべき7点を整理します。当ブログのAIに入力してはいけない情報7つの、ちょうど裏返しにあたる内容です。

⚠️ 本記事は2026年9月10日時点の公開情報をもとにした一般的な解説であり、法的な助言ではありません。個別の判断が必要な場合は弁護士などの専門家にご相談ください。出典は記事末尾に記載しています。

✅ 先に結論

  • 2026年8月にAI関連のルールがいくつか動きましたが、個人の発信者に直接関係するのは1つだけです
  • それが法務省が8月7日に公表した「声」に関する解釈指針。声も肖像や氏名と同じく保護の対象になると明記されました
  • 残りはAI開発事業者向けEU向けにサービスを出す企業向けで、個人ブログには直接かかってきません
  • 実務で効くのは結局この2つ。「実在の人物を模していないか」と「AIが書いた事実を自分で確かめたか」です

2026年8月、個人に関係するルールは1つだけ動いた

この夏はAI関連のニュースが多く、「何か対応しないとまずいのでは」と不安になった人もいるはずです。まず自分に関係あるものだけを仕分けます

動き時期個人の発信者への関係
法務省「声」の解釈指針2026年8月7日◎ 直接関係する
知財本部「プリンシプル・コード」2026年8月25日AI開発事業者向け。個人には直接関係なし
EU AI Act 第50条の透明性義務2026年8月2日△ EU向けにサービスを出す企業が対象
著作権法そのものの改正2026年6月時点で改正されていません

日本は法律の条文を変えるのではなく、「いまある法律をどう読むか」を明確にする方向で進んでいます。だから「新しい法律ができたから急いで対応」という話ではありません。

唯一関係するのが「声」の指針

法務省が公表した指針では、人の声について肖像や氏名と同じく「人物識別情報であり、個人の人格の象徴」と明記されました。

  • 著名人が持つ顧客吸引力を独占的に使える「パブリシティ権」の対象になりうる
  • 人格権に由来する「みだりに利用されない権利」の対象にもなりうる
  • 学習データに本人の声が入っていなくても、侵害になりうると整理されている

ただしこれは新しい法律ではなく、現行法と判例の解釈を整理したもので、法的拘束力はありません。訴訟やAI開発の場面で参考にされることが想定されています。

💡 個人にとっての実務的な意味

「有名人の声に似せたAI音声で動画を作る」「特定の声優さんの声質を再現する」——こうした使い方がグレーではなく、はっきりリスクのある行為だと整理されたということです。趣味の範囲でも、公開すれば人の目に触れます。

公開前に確認する7つのこと

AIで作ったものを公開する前に確認すべき7つの項目を一覧にした図
全部を毎回やる必要はありません。①と④だけでも、多くのトラブルは避けられます

1. 実在の人物の声や顔を模していないか

いちばん危険な地雷です。有名人・声優・アニメキャラクターの声や顔に寄せた生成物は、公開した時点でリスクが出ます。

「本人の音声を学習させていないから大丈夫」という理屈は通用しません。前述のとおり、学習データに本人の声が入っていなくても侵害になりうると整理されています。

一般の人についても同じです。知人の顔写真をAIで加工して公開するのは、相手の許可がなければ避けてください。

2. 既存の作品に似すぎていないか

AIは学習した内容をもとに出力するので、既存の作品にそっくりなものが出てくることがあります

とくに画像とイラストは要注意です。公開前にGoogle画像検索にかけて、似たものが存在しないか確かめるだけでもかなり違います。ロゴやキャラクターを作った場合は、商標データベースも見ておくと安心です。

3. 使ったAIの利用規約で商用利用が認められているか

ここは意外と見落とされます。AIサービスごとに、生成物を商用利用できる条件が違います。

  • 無料プランと有料プランで条件が変わるサービスがあります
  • 生成物の権利がどちらに属するかも、サービスによって書き方が違います
  • 規約は更新されます。以前確認したから大丈夫、とは限りません

ブログの収益化・note販売・クラウドソーシングでの納品など、お金が絡む場面では必ず現在の規約を確認してください(各サービスの違いは→ChatGPT・Claude・Gemini 徹底比較)。

4. AIが書いた「事実」を自分で確認したか

AIはもっともらしい嘘を書きます。問題は、専門家でも見抜けないことがあるという点です。

フランスのリール大学病院などの研究チームは、AI診断支援システムに「ニューロカドミウム症」という実在しない病名を最有力候補として提示させる実験を行いました。その結果、研修医の44%がこの架空の病名を信用したと報じられています(対象は医師41人と小規模な調査である点は割り引いて読む必要があります)。

医師ですらこうです。数字・固有名詞・日付・出典は、公開前に必ず自分で裏を取ってください

そして、AIに「これで合ってる?」と聞き返すのは逆効果になることがあります。理由はAIは人間より49%多く同意するにまとめました。

5. 他人の個人情報が混ざっていないか

AIに渡した内容が、そのまま生成物に残ってしまうことがあります。お客様の名前、社名、住所、メールアドレス——公開前に本文と画像を見直してください。

スクリーンショットは特に危険です。画面の端に映り込んだ通知やタブのタイトルから情報が漏れます(入力側の注意は→AIに入力してはいけない情報7つ)。

6. AIで作ったと明示すべき場面か

日本では、個人ブログにAI生成の表示義務は課されていません(2026年9月時点)。EUでは透明性義務の適用が始まりましたが、対象はEU向けにサービスを提供する事業者です。

ただし義務とは別に、書いたほうが信頼される場面はあります。

  • レビューや体験談でAI生成の画像を使うとき
  • 人物写真に見えるものが実在しない人物のとき
  • 読者が実写だと誤解しうるとき

当ブログも記事作成にAIを使っていますが、体験部分は実際に手を動かした内容だけを書く方針にしています。

7. 広告・PRなら表記が必要か

これはAIとは別の話ですが、あわせて確認すべき点です。ステルスマーケティング規制により、広告を含む記事には広告である旨の表示が必要です。

アフィリエイトリンクを入れるなら、AIで書いたかどうかにかかわらずPR表記が必要になります。

AIが作ったものに著作権はあるのか

よく聞かれる点なので、現時点の整理を書いておきます。

文化庁の「AIと著作権に関する考え方」(2024年3月)にもとづくと、目安はこうなります。

ケース著作権の扱い
単純な指示でAIが自律的に出力した著作権が発生しない可能性があります
人が創作的に指示し、大幅に編集・加工したその人に著作権が認められる可能性があります

つまり「AIに一言頼んで出てきたもの」は、あなたの著作物にならないかもしれないということです。

これは実務上、次のことを意味します。他人が同じものを使っても、あなたは止められない可能性がある。ブログのロゴやキャラクターをAIで作る場合は、この点を知っておいてください。

よくある質問

Q1. 趣味のSNS投稿でも気をつけるべきですか?

はい。収益化しているかどうかに関係なく、公開した時点で人の目に触れます。とくに実在の人物を模した生成物は、趣味でも避けてください。

Q2. AIで書いた記事はGoogleの評価が下がりますか?

AIで書いたこと自体が問題視されるわけではありません。評価されるのは、読者にとって役に立つかどうかです。ただし裏を取らずに公開した誤情報は、信頼を大きく損ないます。確認の手間を省かないことが結局いちばんの対策です。

Q3. 生成した画像をブログのアイキャッチに使っても大丈夫?

使ったAIの規約で商用利用が認められていれば、多くの場合は問題ありません。ただし実在の人物・キャラクター・ブランドロゴに似ていないかは、公開前に確認してください。

Q4. 毎回7項目すべて確認するのは大変です

全部やる必要はありません。①実在の人物を模していないか④事実の裏を取ったか——この2つだけ習慣にすれば、深刻なトラブルの大半は避けられます。

まとめ

  • 2026年8月の動きのうち、個人に直接関係するのは法務省の「声」の指針だけです
  • 声は肖像や氏名と同じく保護の対象。学習データに本人の声がなくても侵害になりうると整理されました
  • ただし新しい法律ではなく解釈の整理で、法的拘束力はありません
  • 実務で効くのは①実在の人物を模さない ④事実は自分で裏を取るの2つ
  • AIに一言頼んで出てきたものは、あなたの著作物にならない可能性があります

作ったものを実際に世に出す手順は作ったツールをネットに公開する方法に、AIとの付き合い方の基礎は生成AIとは?初心者向け完全解説にまとめています。

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