2025年9月、アメリカでChatGPTに選んでもらった数字で宝くじを買った女性が、15万ドル(当時のレートで約2,200万円)を当てて話題になりました。日本でも「AIに数字を選んでもらう」人は増えていると思います。
ただ、ロト6には見落とされがちな仕組みがあります。1〜4等の当せん金は、同じ等級に当たった人たちで分け合うのです。みんなと同じ数字で当たると、1人あたりの取り分は減ります。
では、日本の購入者は実際にどの数字を選びがちなのか。そしてAIに選ばせると、その「人と被る数字」に寄ってしまうのか。ロト6の1,954回分の当せんデータをAI(Claude)と一緒に集計して確かめました。
⚠️ 本記事は2026年10月5日時点の公開データにもとづく集計です。どの数字を選んでも当せん確率は同じで、この記事は「当たりやすくなる方法」ではありません。宝くじは払い戻し率が約45%で、買うほど平均では損をします。娯楽の範囲で楽しんでください。
✅ 先に結論
- 当せん番号が31以下(誕生日の範囲)だけの回は、4等の配当が平均5,468円。31以下が2個以下の回(平均10,071円)の約半分でした。誕生日の数字を選ぶ人が多いためです
- みんなが選びがちなのは1桁の数字と7・12。逆に43・40・34・41など大きい数字は避けられていました
- 研究によると、AIの選ぶ数字には「7が大好き」「端の数字を避ける」という偏りがあります。人間の好みと重なる部分があるため、AIに選ばせると人と被る側に寄るおそれがあります
- 当せん確率はどの数字でも同じです。それでも買うなら、32〜43を混ぜるか、機械が無作為に選ぶクイックピックにするのが、取り分を減らさない選び方です
【実際に調べた】人と被ると、配当はここまで下がる
まず仕組みです。ロト6の4等は「本数字6個のうち4個が一致」で、1口あたりの当せん金は毎回変わります。公式サイトにも「発売額と当せん口数により毎回変動」と書かれています。
つまり、当せん番号がみんなの選びがちな数字だと4等の当せん者が増え、1人あたりの配当が下がります。逆に、誰も選ばない数字なら当せん者が減り、配当が上がります。
このしくみを使えば、当せん口数から「どの数字が人気か」を逆算できます。使ったのは、ロト6の全回の結果をまとめた公開データ(mk-mode.com)です。等級ごとの当せん口数・当せん金・販売額まで入っています。
なお、2017年2月の第1147回から賞金の配分が変わり、4等の目安は9,500円から6,800円に下がりました。配当の金額を比べるときは、改定後の996回だけを使っています。
31以下の数字が多い回ほど、配当は安い
当せん番号6個のうち、31以下(誕生日に使える数字)が何個あったかで分けて、4等の平均配当を出しました。
| 当せん番号のうち31以下の数字 | 回数 | 4等の平均配当 |
|---|---|---|
| 2個以下 | 44回 | 10,071円 |
| 3個 | 169回 | 8,556円 |
| 4個 | 342回 | 7,515円 |
| 5個 | 332回 | 6,494円 |
| 6個すべて | 109回 | 5,468円 |
31以下の数字が1個増えるごとに、配当が段階的に下がっています。偶然の誤差では説明できない、はっきりした差です。誕生日や記念日の数字で買う人がそれだけ多いということです。
いちばん被った回と、いちばん被らなかった回
改定後でいちばん配当が安かったのと、高かったのはこの2回です。
| 回 | 当せん番号 | 4等の当せん口数 | 4等の配当 |
|---|---|---|---|
| 第1933回(2024年9月23日) | 3・7・9・10・12・30 | 22,295口 | 2,600円 |
| 第1479回(2020年5月4日) | 1・20・30・32・35・37 | 4,496口 | 13,500円 |
1桁が3つに7と12が並んだ回は、4等の当せん者が2万人を超え、配当は2,600円まで下がりました。大きい数字が並んだ回は当せん者が5分の1で、配当は5倍以上です。どちらも「4個一致」という同じ当たりなのに、これだけ差が出ます。
1等でも起きた:167人で分けて1口181万円
データを見ていて、いちばん驚いたのがこの回です。
| 回 | 当せん番号 | 1等の当せん口数 | 1等の当せん金 |
|---|---|---|---|
| 第230回(2005年3月17日) | 4・9・18・31・36・42 | 167口 | 1,814,700円 |
2004〜2006年に1等が出たほかの138回では、1等の当せん金は中央値で約1億1,660万円でした。ところがこの回は同じ6個の組み合わせを買った人が167口もいて、1等なのに1口あたり約181万円になりました。なぜこの組み合わせに人が集まったのかは、データからは分かりません。ただ、人と同じ数字で当たると、1等でもこうなることははっきり示しています。
みんなが選びがちな数字・避けがちな数字
次に、数字1つずつの人気を調べました。販売額が記録されている1,954回(2004年6月〜2026年10月)について、その数字が当せん番号に入った回は、3個一致(5等)の当せん口数が何%多かったかを比べています。販売口数の違いは補正しました。表は上から、人気(不人気)の度合いが大きい順です。
| 人気の数字 | 当せん口数 | 不人気の数字 | 当せん口数 |
|---|---|---|---|
| 8 | +8.6% | 43 | −9.5% |
| 3 | +8.0% | 40 | −9.0% |
| 5 | +7.1% | 34 | −7.7% |
| 12 | +7.1% | 41 | −7.2% |
| 7 | +6.9% | 35 | −6.9% |
| 11 | +6.9% | 42 | −6.9% |
人気の上位10個は、2〜9と11・12でした。すべて12以下です。逆に下位10個は、31以上の大きい数字と、20・30のような切りのいい数字が占めました。
ほかの5個の数字の影響も混ざるので、細かい順位はざっくりした目安です。ただ、「小さい数字は人気、大きい数字は不人気」という傾向は、2つ前の配当の表とも一致しています。
AIが選ぶ数字にも、はっきりした偏りがある
では、AIに選ばせるとどうなるのか。2025年2月に公開された研究「Deterministic or probabilistic? The psychology of LLMs as random number generators」が参考になります。
この研究では、GPT-4o-mini・Gemini 2.0・Llamaなど6つのAIに、日本語を含む7か国語で合計75,600回「ランダムな数字を選んで」と頼みました。結果はこうです。
- 1〜10から選ばせると、3つのAIが約8割の確率で「7」を選んだ
- 1〜100から選ばせると、37・47・73に答えが集中した
- 1や10・100のような端の数字と、10の倍数は避けられた
- よく選ばれる数字は素数が多かった
研究者は、この偏りの原因をAIが学んだ文章(人間が書いたもの)にあると見ています。人間が「ランダムっぽい」と感じる数字を、AIもそのまま受け継いでいるわけです。
人間の好みと、どこが重なるのか
当ブログの集計と照らし合わせると、重なる部分と重ならない部分がありました。
| 数字の特徴 | AI(研究) | ロト6の購入者(当ブログの集計) |
|---|---|---|
| 7 | 大好き | よく選ばれる(+6.9%) |
| 端の数字(43など) | 避ける | 避けられる(43は最下位) |
| 10の倍数 | 避ける | 20・30・40は避けられる |
| 37 | 好き | やや避けられる(−2.4%) |
7が好きで端を避けるという点で、AIと人間の好みは似ています。そして配当が高くなりやすいのは、人間が避ける43や40のほうです。AIもこれらを避けるなら、せっかくの「人と被らない数字」を自分から捨てることになります。
ただし、この研究は1〜100などの範囲で試したもので、ロト6の1〜43から6個選ぶ場合の偏りまでは確かめていません。また、当ブログでもAIに何百回も選ばせる実験はしていません。「AIに選ばせると必ず損をする」とまでは言えず、人と被る側に寄るおそれがあるというのが正確なところです。
AIで選んで当たった人は、AIのおかげ?
冒頭のアメリカの女性は、2025年9月8日のPowerballで5個中4個とパワーボールを当て、オプション込みで15万ドルを受け取りました。賞金は、認知症の研究団体など3つの団体に全額寄付しています。
ただ、宝くじの情報サイトLotteryUSAも、この当せんは単に運が良かっただけと書いています。AIに選ばせても、誕生日で選んでも、当せん確率は同じです。AIが過去の結果から当せん番号を予想できるわけではありません。この点は、当ブログで予想ツールを作って検証したAIで宝くじ予想ツールを作って検証した記事でも確かめています。
当たる確率は同じ。それでも取り分を減らさない選び方
ここまでをふまえた、当せん確率を変えずに、当たったときの取り分を減らさないための選び方です。
- 31以下だけで組まない。32〜43を2個以上入れる
- 1桁の数字を詰め込まない。1桁が3個以上の回は、4等の配当が平均5,514円でした(それ以外は7,431円)
- 7や誕生日にこだわらない。7を含む回の4等は平均6,427円(含まない回は7,363円)でした
- 迷ったらクイックピック(機械が無作為に選ぶ買い方)にする。人間やAIの好みが入りません
- AIを使うなら、数字を選ばせるのではなく、乱数で数字を選ぶ小さなプログラムを作ってもらう。AIの言葉の偏りが入らず、本当に無作為になります
そして何より、買いすぎないことです。ロト6の払い戻し率は約45%で、どんな選び方をしても、長く続けるほど平均では損をします。
自分でも試せる:AIの「好きな数字」を確かめる
手元のAIで、次のように何度か聞いてみてください。毎回、新しい会話で聞くのがポイントです。
1〜43の中から、ロト6の数字を6個選んでください。
10回ほど聞いて、出てきた数字を上の人気ランキングと見比べると、そのAIのクセが見えてきます。同じ数字が何度も出るなら、ほかの利用者とも被りやすいということです。
この集計は、公開データとAIで誰でもできる
今回の集計は、Claude(AI)に書いてもらった短いプログラムで行いました。元データを読み込み、等級ごとの当せん口数を販売口数で補正して並べるだけです。数字は元のデータと突き合わせて確認しています。
一方で、AIに任せきりにしていたら失敗するところでした。最初は2017年の賞金改定をまたいで配当を比べてしまい、公式サイトで改定を確認して、改定後の996回に絞り直しています。データの前提が途中で変わっていないかを人が確かめる作業は欠かせません。AIと記事を作るなかで起きたほかの間違いは、AIの「もっともらしい間違い」実例10選にまとめています。
集計ツールを作って公開してみるなら
こうした集計は、AIに頼めばブラウザで動く小さなツールにもできます。公開して人に使ってもらうなら、月500円台から使えるロリポップ!で十分です。宝くじを数回我慢すれば、1年動かせます。ほかの選択肢はレンタルサーバー比較にまとめています。
ロリポップ!公式サイトを見るよくある質問
Q1. 人と被らない数字を選べば、当たりやすくなりますか?
A. なりません。どの6個の組み合わせも、1等の当せん確率は6,096,454分の1で同じです。変わるのは、当たったときに同じ等級の人と分け合う人数だけです。
Q2. 5等も、人と被ると配当が減りますか?
A. 5等(3個一致)は原則1,000円の固定なので、減りません。人数で分け合うのは1〜4等です。今回の比較で4等を使ったのは、当せん者が毎回およそ9,000〜16,000口と多く、人気の差がはっきり表れるからです。
Q3. AIに「人と被らない数字を選んで」と頼めばいいですか?
A. あまりおすすめしません。AIは「人と被らない数字」と言われても、学んだ文章の中のイメージで答えるため、本当に被らないとは限りません。無作為に選びたいなら、クイックピックか、AIに乱数で選ぶプログラムを作ってもらうほうが確実です。
Q4. 1等でも同じことが起きますか?
A. 起きます。1等も当せん者で分け合います。1等の当せん者はほとんどの回で0〜数口ですが、本文で紹介した第230回のように167口に分かれて、1口約181万円になった例もあります。
Q5. 集計に使ったデータはどこで手に入りますか?
A. ロト6の全回の当せん番号・当せん口数・販売額は、mk-mode.comがCSV形式で公開しています。当ブログの予想ツールの作り方はAIで宝くじ予想ツールを作って検証した記事にまとめています。
まとめ
- ロト6の1〜4等は、同じ等級の当せん者で賞金を分け合う。人と被ると取り分が減る
- 当せん番号が31以下だけの回は、4等の配当が平均5,468円。31以下が2個以下の回(10,071円)の約半分
- 1等でも、167口に分かれて1口約181万円になった回がある
- よく選ばれるのは1桁と7・12、避けられるのは43・40・34など大きい数字
- AIにも「7が好き」「端と10の倍数を避ける」という偏りがあり、人間の好みと重なる部分がある
- 当せん確率はどれも同じ。それでも買うなら32〜43を混ぜる・クイックピックにするのが、取り分を減らさない選び方
AIの答えが人間の好みに引っぱられる話は、AIは人間より49%多く同意する|おべっかの実害にもつながります。AIの答えは「無作為」でも「中立」でもない、と知っておくだけで、使い方が変わります。
ロト7でも同じように「人と被る数字」と「出やすい数字」を調べた結果はロト7の出やすい数字は本当にある?にまとめています。
参考にした情報
- ロト6(LOTO6)ってどんな宝くじ? – 宝くじ公式サイト(当せん金額の目安と、毎回変動する仕組み)
- 数字選択式宝くじ「ロト7」・「ロト6」の賞金を改定 – 宝くじ公式サイト 宝ニュース 平成29年1月号(第1147回からの4等の目安の変更)
- ロト6 全回の当せん番号・当せん口数データ(CSV) – mk-mode.com(集計に使った元データ)
- Deterministic or probabilistic? The psychology of LLMs as random number generators – arXiv(AIが選ぶ数字の偏りの研究、2025年2月)
- A Virginia woman used ChatGPT to win $150,000 playing Powerball – LotteryUSA
- Virginia grandmother won huge Powerball prize. Why she’s giving it all away. – WTVR CBS 6(賞金の寄付先)