AIの「もっともらしい間違い」実例10選|ブログ記事を50本近く一緒に作って見つけたもの

AIの「もっともらしい間違い」実例10選|ブログ記事を50本近く一緒に作って見つけたもの

AIの間違いは、明らかなウソではなく「それっぽい」ので見逃しやすいのが厄介です。このブログでClaude(AI)と記事を作るなかで実際に起きた間違いを10個、実物で紹介します。日本語に混ざったロシア語、元の調査と違う数字、自分で作ったツールの説明違いまで。見つけたきっかけと、防ぐための5つの確認もまとめました。

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📖 この記事でわかること

  • 先に全体像:AIの間違いは4種類
  • 数字・事実の間違い
  • 表記の間違い
  • 判断の間違い
  • なぜAIは「もっともらしく」間違えるのか

AIの間違いで本当に困るのは、明らかなウソではありません。読んでも気づかない「もっともらしい間違い」です。

このブログでは、記事の調査や下書き、ツール作りにClaude(AI)を使っています。50本近い記事を作るなかで、さまざまな間違いに出会いました。この記事では、実際に起きた間違いを10個、そのまま紹介します。見つけたきっかけと、防ぐための確認もセットです。

⚠️ 本記事は2026年10月5日時点の内容です。紹介する間違いのうち、公開済みの記事に残っていたものはすべて修正済みです。AIの種類やバージョンによって、間違い方は変わります。

✅ 先に結論

  • AIの間違いは「数字・事実」「古さ」「表記」「判断」の4種類に分けられました。どれも文章としては自然で、読むだけでは気づけません
  • 記事にかかわる8個のうち6個は公開前に見つけましたが、2個は公開後に気づいて直しました。見つけたきっかけは、ほぼすべて元の資料・実物・公開後の画面と見比べたことです
  • OpenAIの研究によると、AIは分からないときに「分からない」と言うより、推測で答えるほうが評価されやすい仕組みで鍛えられています。もっともらしい間違いは構造的に起きます
  • 防ぐには、数字は元の資料で・「最新」は公式で・説明は実物で確かめるのがいちばん効きます

先に全体像:AIの間違いは4種類

10個の間違いを分けると、次の4種類になりました。

AIのもっともらしい間違いを、数字・事実、古さ、表記、判断の4種類に分けた図
どの種類も、文章の流れは自然です。だから読むだけでは見つかりません。
番号間違い種類見つけた時期
①要約の数字が元の調査と違う数字・事実公開前
②「最新」が最新ではない古さ公開後
③もっともらしい「常識」数字・事実公開前
④自分で作ったツールの説明違い数字・事実公開前
⑤日本語にロシア語が混ざる表記公開前
⑥太字の記号がそのまま出る表記公開後
⑦言いすぎ判断公開前
⑧データが足りないのにおすすめする判断運営の相談中
⑨ルールの変更をまたいで比べる判断公開前
⑩出典リンクを記憶で書く判断運営への報告で

ここから1つずつ見ていきます。

数字・事実の間違い

① 要約の数字が、元の調査と違う

AIのシェア(利用者の割合)を調べていたときのことです。Web検索の結果をAIが要約した段階では、「ChatGPT 70%、Claude 11%」となっていました。

ところが、元になった調査会社Sensor Towerの記事を開くと、数字は46.4%と10.3%でした。別の調査や別の指標の数字が、要約の途中で混ざったと考えられます。期間の分からない「米国で4.4%→14%」という数字も、元の記事で確かめられなかったため使いませんでした。

  • 見つけたきっかけ:記事に使う前に、元の記事を開いて数字を照合した
  • 防ぎ方:数字は要約ではなく、元の資料のページで確かめてから使う

完成した記事はChatGPT一強の終わり|シェア46%に低下です。

② 「最新」が、もう最新ではない

2026年8月14日に公開したAIの比較記事で、Claudeの上位モデルを「Opus 4.8」と書いていました。実際には7月24日にOpus 5が出ていました。気づいて直したのは、公開から2週間後です。GeminiやChatGPTの新しいプランも、同じように抜けていました。

AIの知識には「ここまでの情報しか知らない」という締め切りがあります。そのため、自信を持って「最新は〇〇です」と古い情報を書くことがあります。

  • 見つけたきっかけ:次の記事のために最新モデルを調べ直したとき
  • 防ぎ方:「最新」「現在」と書く部分は公式サイトで確かめ、「〇年〇月時点」と日付を入れる

AIの世代交代の速さについては3週間で世代交代する時代の選び方にまとめています。

③ もっともらしい「常識」が間違っている

宝くじのデータを扱う記事の下書きで、AIは「CSVはUTF-8なので、Excelでそのまま開けます」と書きました。

実際には、UTF-8でも「BOM」という目印がないファイルは、Excelで開くと文字化けすることがあります。もっともらしい説明ほど、読む側も「そうなんだ」と流してしまいます。

  • 見つけたきっかけ:説明の内容を、実際のファイルの仕様と照らし合わせた
  • 防ぎ方:手順の説明は、書かれたとおりに一度やってみる

④ 自分で作ったツールの説明を間違える

これがいちばん意外でした。ロト6とロト7の予想ツールは、どちらもAIと一緒に作ったものです。それなのに記事の下書きでは、「ロト7のツールも、データを自動で取ってきます」と書かれていました。

実物のファイルを確認すると、ロト7のツールは自分でCSVを読み込む方式でした。自動で取ってくるのはロト6のほうだけです。AIは作ったものを「覚えて」いるわけではなく、似たものから推測して書くことがあります。

  • 見つけたきっかけ:ツールのファイルを開いて、実際の動きを確かめた
  • 防ぎ方:自分のツールや商品の説明でも、実物を開いて確かめる

ツールの中身はAIで宝くじ予想ツールを作って検証した記事で紹介しています。

表記の間違い

⑤ 日本語の中にロシア語が混ざる

新機能の解説記事の下書きに、こんな一文がありました。

「資料の骨子をAIに作らせて、あとは自分で清書する」だった作業が、формの整った状態で出てくるようになったわけです。

「形の整った」と書くべきところに、ロシア語で「形」を意味する「форм」が入っていました。はっきりした原因は分かりませんが、AIは多くの言語をまとめて学んでいるため、まれに意味の近い別の言語の単語が混ざることがあります。

  • 見つけたきっかけ:公開前に下書きを見直したとき。それ以来、全文から日本語・英語以外の文字を機械的に探す確認も加えています
  • 防ぎ方:長い文章ほど、公開前に全文をもう一度読む。ブログなら、ロシア語や韓国語の文字が入っていないかを検索で調べるのも手です

⑥ 太字の記号「**」がそのまま表示される

AIの文章では、強調したい部分が「**重要**」のように記号で囲まれます。これはMarkdownという書き方のルールで、ブログに入れると太字になります。

ところが、記号のすぐ内側や外側に「」や()があると、太字として扱われないことがあります。たとえば「これは**「重要」**です」と書くと、太字にならず記号がそのまま画面に出ます。このブログでは、19記事・27か所でこの状態のまま公開していました。

  • 見つけたきっかけ:公開後の画面を見て、記号が残っていることに気づいた
  • 防ぎ方:AIの文章をブログに貼ったら、公開後の画面(スマホでも)で読み直す。日本語の文章では、太字に記号ではなくHTMLのタグを使うと確実です

判断の間違い

⑦ 言いすぎる

AIの文章は、言い切ったほうが読みやすくなります。そのぶん、根拠より強い言い方になりがちです。最近の記事の下書きでは、3か所を直しました。

AIの下書き(要旨)直したあと
要約させるだけなら、被害はほとんど起きない要約を読むだけなら、被害は限られます
隠しテキストを使うと、検索結果から外される順位が下がったり、表示されなくなったりする原因になります
どちらの事例も、画面の外に文字を隠していた隠し方のひとつは、画面の外に追いやる方法でした

どれも、元の資料にはそこまで書いていませんでした。

  • 見つけたきっかけ:断定している部分を、出典と1つずつ照らし合わせた
  • 防ぎ方:「必ず」「ほとんど」「〜される」などの言い切りを探して、根拠があるか確かめる

⑧ データが足りないのに、自信を持っておすすめする

ブログの検索データ(Search Console)を見ながら、次にどのキーワードを狙うかをAIに相談したときのことです。表示回数だけを見て、AIは「業務効率化 個人」を最優先にと答えました。

あとから検索順位のデータも見ると、そのキーワードは87.2位でした。ほぼ圏外です。実際に狙うべきは、19位にいた「ai 業務効率化 個人」のほうでした。AIは渡された情報が足りなくても、それなりの答えを出してしまいます。

  • 見つけたきっかけ:順位のデータが加わって、判断の前提が崩れた
  • 防ぎ方:相談するときは「判断に足りない情報はある?」と聞き返させる

⑨ ルールが途中で変わったことに気づかない

ロト6の配当を20年分まとめて比べようとしたときのことです。最初の集計は、全期間をそのまま比べていました。

ところが公式サイトで調べると、2017年2月に賞金の配分が変わり、4等の目安が9,500円から6,800円に下がっていました。そのまま比べると、時期の違いを「数字の違い」と取り違えてしまいます。比べる期間を、改定後に絞って集計し直しました。

  • 見つけたきっかけ:集計の前提を、公式の情報で確かめた
  • 防ぎ方:長い期間のデータを比べるときは、途中でルールや計算方法が変わっていないかを確かめる

集計の結果はAIにロト6の数字を選ばせると損をする?にまとめています。

⑩ 出典のリンクを、記憶で書いてしまう

最後は、つい最近の例です。記事を公開したあと、AIが運営者に向けた報告に「主な出典」としてリンクを5本挙げました。ところがそれは、記事に実際に載せた出典とは別のリンクでした。

あとで確かめると4本はページ自体は存在しましたが、報告の時点では確かめずに書いていました。1本は、アクセスが拒否されて中身を確認できませんでした。もし記事にそのまま載せていたら、出典と本文の内容が合わない記事になるところでした。

  • 見つけたきっかけ:次の記事を書くために、前の記事の出典を見直した
  • 防ぎ方:出典のリンクは、実際に開いたページからコピーする。AIが書いたリンクは、一度クリックして中身を確かめる

なぜAIは「もっともらしく」間違えるのか

理由のひとつが、2025年9月にOpenAIの研究者らが発表した論文「Why Language Models Hallucinate」に書かれています。

論文によると、AIは難しい試験問題に向かう学生のように、分からないときでも推測で答えることがあります。いまのAIの多くは「正解した割合」で評価されるため、「分かりません」と答えるより、推測で答えたほうが点数が上がるからです。

つまり、もっともらしい間違いは、たまたまではありません。そう振る舞うように鍛えられている面があります。AIに「分からないときは分からないと言って」と頼むだけで完全に防げるものではない、ということです。

AIが相手に合わせて答えを曲げる問題は、AIの「おべっか」の実害で詳しく書いています。

間違いを減らす5つの確認

10個の間違いから分かった、効き目の大きい確認をまとめます。

AIの間違いを減らすための5つの確認をまとめたチェックリスト
どれも特別な道具は要りません。「元の資料・実物・公開後の画面」と見比べるのが基本です。
  1. 数字は元の資料で確かめる(①⑨)
  2. 「最新」「現在」は公式で確かめ、日付を入れる(②)
  3. 説明は実物で試す。手順はやってみる、ツールは開いてみる(③④)
  4. 言い切りと出典をセットで確かめる。リンクは開いてからコピーする(⑦⑩)
  5. 公開後の画面で読み直す。スマホでも見る(⑤⑥)

⑧のような判断の相談では、「判断に足りない情報はある?」と聞き返させるのが効きます。

AIの間違いを見つけられる人は、重宝される

ここまで読んで「AIは使えない」と感じた人もいるかもしれません。当ブログの考えは逆です。間違いを見つけて直せる人がいれば、AIは強力な道具になります。

そして、その「見つけて直す力」は、それ自体が人に頼まれる仕事になります。AIで作った文章や資料の確認・手直しは、まさに人の手が必要な工程だからです。

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よくある質問

Q1. 有料版の新しいAIなら、間違えませんか?

A. 間違いは減りますが、なくなりません。この記事の10個も、すべて有料版のClaudeで起きたものです。特に②の「古い情報」と⑧の「データ不足」は、AIの性能というよりAIが知らないこと・渡されていないことが原因なので、どのAIでも起こりえます。

Q2. AIに「間違いがないか確認して」と頼めば十分ですか?

A. 一定の効果はありますが、十分ではありません。AIが自分で見直すと、③のような「もっともらしい常識」はそのまま通ってしまうことがあります。元の資料・実物・公開後の画面と見比べる確認は、人が手を動かすのが確実です。

Q3. 日本語にほかの言語が混ざるのは、よくあることですか?

A. 頻繁ではありません。このブログで見つかったのは⑤の1回だけです。ただ、まれに起きるからこそ見落としやすいです。長い文章を公開する前に、ページ内検索でキリル文字(ロシア語の文字)やハングルが入っていないか確かめると安心です。

Q4. ChatGPTやGeminiでも、同じ間違いは起きますか?

A. この記事の10個はClaudeで起きたもので、ほかのAIでは試していません。ただ、OpenAIの論文が指摘している「推測で答えるほうが評価される」という仕組みは、多くのAIに共通するものです。どのAIでも、もっともらしい間違いは起きる前提で使うのが安全です。

Q5. AIで書いた記事を公開すること自体は問題ないですか?

A. 内容を確かめたうえで公開するなら、問題ありません。大事なのは、AIを使ったかどうかより中身が正しく、読者の役に立つかです。公開前の確認についてはAIで作ったものを公開する前の7つの確認にまとめています。

まとめ

  • AIの間違いは「数字・事実」「古さ」「表記」「判断」の4種類。どれも文章は自然で、読むだけでは気づけない
  • 実例は、元の調査と違う数字、古いモデル名、日本語に混ざったロシア語、自分で作ったツールの説明違い、19記事・27か所の太字の崩れなど
  • 記事にかかわる8個のうち2個は公開後に気づいて直した。見つけたきっかけは、元の資料・実物・公開後の画面との見比べ
  • AIは分からないときも推測で答えるほうが評価されやすい仕組みで鍛えられている(OpenAIの論文)
  • 防ぐには、数字は元の資料で・「最新」は公式で・説明は実物で・公開後は画面で確かめる

AIの文章が見分けられるかについてはAIで書いた文章はバレるのかで、AIにだけ見える文字の問題はAIにだけ読める「隠し文字」とはで取り上げています。

世界で実際に起きた、思わず笑ってしまうAIの失敗はAIのやらかし珍事件12選にまとめています。

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